この日の色は白
ドイツがお祭り騒ぎのアドベント期間(クリスマス前の4週間)に入る直前、クリスマスから5週間前の日曜日は教会歴の一番最後の日。北ドイツの殆どはプロテスタントの教会ですが、この日は「永遠の日曜日」Ewigkeitssontag または 「死者の日曜日」Totensontag と呼ばれ、個人を偲ぶ日となっています。
この日までの一年間で亡くなられた人を追悼し、教会に行ったり(教会によってはこの時名前を読み上げて貰うらしい。ちょっと仏教にも似ているかな。)お墓に行ったりします。
実は去年と今年、かつて私のお茶の生徒さんだった日本人とドイツ人の方が亡くなられました。夏のお盆の時期には一応生徒さんとお稽古の前に献茶をしていたのですが、少し落ち着いたら遺族の方に一度簡単にでも追善のお茶に御案内させていただきたいと思っていたのです。
あいにく「永遠の日曜日」Ewigkeitssontag 当日には茶室が使えないことがわかり、その前日に追善をすることになりました。そしてこの話を懇意にしている女性の牧師さんに話したところ、「私がその日使う予定のAltartuch(祭壇布)があるの、前日に返してくれるなら貸してあげるわ。」ということになり、ありがたく貸していただきました。
写真はありませんが、お道具は出来るだけ故人が生前使われていたものを組み合わせました。軸は「関 南北東西活路通」、花は故人のお庭に植えてある椿を持ってきていただいたものを入れています。
あまり長くならないように献茶、相伴をした後に軽い食事をという流れにしました。
全てが終わり、皆さんが帰られて一人になったお茶室の中で、「ああ、こんなことより生きているうちにしてあげることはあったんじゃないか。これは私の自己満足じゃないのか。」と、とても悲しい気持ちになってしまいました。でもAltartuchの白い色を見ているうちに不思議と少しずつ気持ちは治まっていったのです。
「死」というものを考える時、なぜかいつも昔読んだ宮本輝の「二十歳の火影」というエッセイの中の一節を思い出します。
「人は死んだらどこに行くのだろう。
この答えを見つけることが出来たらこの世の全ての問題は解決しそうな気がした。」
今どこで何を考えているのかな。。。
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