ため息の出るような
注:掲載の写真はすべて福泉堂さんの撮影されたものです。
無断転載を禁じます。
工芸菓子に興味を持ち始めたのは確か高校生の頃です。
きっかけは当時大学生だった(少々変わったところのある)3歳年上の姉で、「街に出ると時々○○のショーウィンドーを見るの。あの飾ってあるお菓子は面白いよね。」という何気ない一言でした。
早速そのお店の前を通りかかった際に覗いてみると四角い黒い盆の上にお菓子でできているらしい赤い牡丹の花が置いてあり、「お菓子でこういうのが作れるんだ、、、」と思ったのを覚えています。
それからは時々その店を覗いたり、京都に行くと和菓子屋さんでなくても飾ってあったりするので(普通のお土産屋さんの片隅とか)そういう時は少し気を付けてみるようにしていました。
その後再び工芸菓子に興味を持つようになったのは、
ensyuuさんを通して
出雲の福泉堂さんを知ってから。福泉堂さんは4年前の広島の菓子博、そして今年のお伊勢さん菓子博で連続名誉総裁賞(最優秀賞)を受賞されています。
両作品共、時折その工程をブログやFBでにアップされていたので毎回更新されるのを楽しみにしていました。
どの作品も実際に目にしたことはないので本当にネット上からだけなのですが、今回「やっぱり凄いんだなあ」と再認識したのは福泉堂さんの牡丹
この花弁を見た瞬間、「本物の花より綺麗??」と思いました。
ここまで美しく、薄く作れるなんて。
紫に白が映えますね
今年の菓子博はたくさんの方の工芸菓子作品をネット上でみていたんですが、牡丹の花は題材で取り上げられている方も多いので、いろいろ見比べるのに私の中で一つのポイントになっていました。
その上で福泉堂さんの牡丹はやっぱり一線を画している、と思う
白鷹は凄すぎてもはや何てコメントしたらいいかもわからない(^_^;)
少し前まで工芸菓子というのは「本物そっくりに作るもの」だと思っていました。でもいろいろ見たり読んだりしているうちに作成していく上でも色遣いや姿、構成に「和菓子的解釈」があるらしいことを知りました。
菓子博の画像をストーカーのごとく(笑)見ているうちに何となくその輪郭がぼんやり浮かんできたような気がします。
製作には木型を彫ったり型を作ったり、道具類も自作される方が多く
気の遠くなるような工程を経て作り上げられる一つ一つ
その集大成 「月不見月」
「作品」だけれども「ワンダーランド」と言いたくなる。
お菓子だけでできた一つの完結した世界。
工芸菓子は大抵和菓子職人さんが日々の仕事をこなしながら、合間に作っていらっしゃるのだと思います。大きい会社がグループで、というのもあるみたいですが一人でコツコツ地道に積み上げていく方が殆どではないでしょうか。
食品ですから劣化もあり、時間を計算しながらそのモチベーションを保つのは並大抵のことではない気がします。
菓子博やお菓子屋さんの中だけではなくて、工芸菓子をもっと広く目にする機会が増えればいいのにな。こんなに素晴らしいものが日本にあるのだから。