魔除けの三つ鱗
懐石が終わり、湯で器を清めてお膳を引いた後は主菓子に移ります。
「蓋を開ける楽しみ」という意味では、器はやっぱり縁高がピッタリですね。
今年は薯蕷饅頭の「巳年」
この三つ鱗のデザインは、去年の初釜の時にはすでに頭にありました。
本当はすり蜜を着色して渋紙で型を作って刷り込みたかったのですが、餅花が途中登板したので時間が足りなくなり、色粉を溶いて芋版を押しただけの簡単版。(気をつけないと饅頭が凹みます・笑)
中身は黒餡と白餡のレインボーカラー
・・・のつもり
虹は「むしへん」で書きますが、虹を蛇に例えることは世界各地にあるそうです。
去年の納釜で見た虹をイメージして初めは七色で、その後あまりの手間に挫折、、、五色に変更。新年早々ヘタれてしまいました。(汗)
後座では花が入り
お濃茶へ
お茶は山治園の「清泉」
上田流でよく使われているお濃茶です。
お薄のお干菓子は今年はドイツバージョン
押しものの「
Glücksschweinchen/幸運の子ブタ」と「Kleeblatt/四葉のクローバー」 ドイツ人女性のハート・わしづかみな組み合わせ。(笑)
子ブタはヨーロッパでは多産、財産、豊穣のシンボルでもあります。
クローバーは一見「すはま」みたいですが、実はピスタチオのマジパン
日本人には苦手な人も多いマジパンですが、原材料を厳選して手作りすると以外に美味しい。大きな「カタマリ」ではなくこれくらいの量ならお薄のお菓子として時々使っても面白いかな、と思います。
お薄は梅干、黒豆、山椒の入る大福茶
このお茶を点てる時、飲む時、「ああ、お正月が来たな~」と思います
初対面でもお薄の頃になるとすっかり和やかに
あちこち場所を変えながら、形を変えて続けてきた初釜も今年で(多分)16回目になりました。長いお付き合いの生徒さんとも「いろいろあったねえ。。。」としみじみ。
これからの自分のお茶がどうなっていくのか、正直よく分からない部分もあるのですが、これからも楽しくお茶が続けていければいいなと思います。
今年も楽しい初釜をありがとうございました。
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