作家の村上春樹さんが6月9日、スペイン・バルセロナでカタルーニャ国際賞を受賞されました。
その際のスピーチが毎日新聞に記載されていることを
「京都で着物暮らし」のakeさんのブログで知り(akeさんありがとうございます)、ここにも記載させていただきます。
カタルーニャ国際賞スピーチ原稿全文(上)
カタルーニャ国際賞スピーチ原稿全文(下)
震災が起こってからずっと、「日本」と「日本人」というものを考えていました。
「なぜ、こんなことが起こるのか」
「なぜ、こんな人間が存在できるのか」
暗澹とした気持ちになる一方で、「違うんだ!!」と異議を唱えるたくさんの素晴らしい人たちの存在が本当に嬉しい。やっぱり「日本」が好きで「日本人」がずっと好きでいたい、と思う。
久しぶりに読んだ村上氏の文章はとても整然としていて(翻訳しやすそうな感じ)、なおかつ日本人の自然観、倫理観を踏まえているので違った感覚で考えることが出来ました。
そして何よりも彼のように「知名度のある作家」がここまではっきりと発言する意義は大きいな、凄いな、と思います。最近知りましたが村上氏の作品は日本の国語の教科書にも多く掲載されているのですね。
氏は2009年、イスラエルのエルサレム賞受賞スピーチにおいても
(当時、ガザの騒乱でイスラエル政府が非難されている中で)
「もしここに硬い大きな壁があり、そこにぶつかって割れる卵があったとしたら、私は常に卵の側に立つ」
と発言されたそうです。
(スピーチより引用)
我々は夢を見ることを恐れてはなりません。
そして我々の足取りを、「効率」や「便宜」という名前を持つ災厄の犬たちに追いつかせてはなりません。
我々は力強い足取りで前に進んでいく「非現実的な夢想家」でなくてはならないのです。
人はいつか死んで、消えていきます。
しかしhumanityは残ります。それはいつまでも受け継がれていくものです。
我々はまず、その力を信じるものでなくてはなりません。